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Carnet 203

Two stars for France: Soccer World Cup 1998-2018 Part –2

フランスは2つ星:サッカーワールドカップ1998-2018 その2

ワールドカップでの優勝で湧いているパリでは、友愛と連帯感に満ちた特別な雰囲気が行き渡っていて、多くの人が街中で挨拶やハグをしていました。一瞬の間、フランス人は自分たちの悩みや分裂を忘れました。ほかに、去年起きた恐ろしいテロ事件(7月14日、革命記念日にニースでトラックが人に突進した事件)の思い出を癒す形にもなりました。多くの人が本能的に国歌の「ラ・マルセイエーズ」を歌い始めたのです。

個人主義がとても強いフランスで、このような団結感を見られてとても驚きました。これは同じフランスの少し矛盾した2つの面なのです。しかしマクロン大統領曰く「チームは結ばれているから素晴らしいのです」。フランス国家にも同じ言葉が当てはまります。一体性(団結)は力なり。

今回ワールドカップで戦ったチームは多文化のフランスを代表していて、大半の選手(23人のうち17人)は移民の第二世代目(主にアフリカから)です。彼らは郊外や恵まれない地帯の若者たちにとってはインスピレーションの元なのです。

平均年齢26歳の今回のフランス代表は若さと期待を表していて、キリアン・ムバッペのようなスター選手はまだ19歳です。若きながらもこのチームはとても平静で大人らしい姿勢を見せ、プレッシャーに耐えながらもゆっくりと優勝まで進みました。「フランス版のオバマ大統領」であるかのごとく、「イエス・ウィ・キャン」である「やりたい時はできる」という言葉を実現してくれました!

翌日、ロシアから帰国したフランス代表は、フランス国民に盛大に迎えられました。選手たちはバスに乗ってシャンゼリゼ通りをパレードして、何十万人もが見に来ました。その後、選手たちはエリゼ宮殿でマクロン大統領にガーデンパーティに招待されました。

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パリに着陸した後、選手たちはオープンデッキバスに乗ってシャンゼリゼ通りで優勝パレードを行いました。残念ながら多くのファンにとってはバスが速く通り過ぎて、短すぎたパレードだったそうです。
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エマニュエル・マクロンとブリジット・マクロン大統領夫婦は代表の選手をエリゼ宮殿で主催したガーデンパーティに招待しました。雰囲気は大統領宮殿にしてはノリが良く、非公式な雰囲気でした! 特にポール・ポグバ選手は記憶に残るワンマンショーで最高に盛り上げてくれました。
 
 

ガーデンパーティでは選手の家族、身内やフランス各地の少年サッカークラブの子供たちが招待されました。このパーティはフランス代表のムードメーカーであるポール・ポグバのワンマンショーで盛り上がりました。

その後、選手たちはいきなり『ラ・マルセイエーズ』を歌い始めました。歌うよりプレーするほうが上手い選手たちであっても、この数年間この国歌はテロ事件の被害者の記念祭で聞くことが多くなってきていたので、今回はとても感動する瞬間でした。
当日の動画はこちらから 

 

パリの交通機関であるRATPもそれなりに勝利に貢献いたしました。優勝後、直ちにパリのメトロの駅数か所がフランス代表を祭るように改名されました。例えば「シャンゼリゼ」駅はフランス代表監督のディディエ・デシャン氏をシャレて「デシャンゼリゼ」になりました。これはフランス人の遊び精神を上手く表しています。

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デシャンゼリゼ駅の看板。優勝を祝うため、パリ交通機関会社のRATPは「シャンゼリゼ」駅をフランス代表の監督ディディエ・デシャン氏に対するオマージュで「デシャンゼリゼ」と改名しました。パリ市民にとても受けが良かったダジャレです。
 




悪口をいう人たちは、このフランス社会の団結はそう長くは続かず、昔の分裂はすぐにまた現れるといっています。確かに、ファンの中には優勝パレードについて不満を示した人もいました。選手を乗せたバスはシャンゼリゼ通りを早く通り過ぎて満喫できなかった、あるいは選手たちはコンコルド広場に面するホテル・トリアノンのバルコニーにトロフィーをもって現れるはずだったのに、最終的には来なくて何時間もホテル前で待ったファンががっかりしていました。

「政府の人たちのみが選手に近づくことができてフェアではない。選手たちは国民のためにもプレーした」などと文句の声が上がっていました。しかしこれらの批判はお祝い精神、良いムード及び晴れ渡った天候のおかげで、一瞬で追い払われました。

フランスでは毎日のように、選手やトロフィーに関するニュースがあふれています。例えば今日(7月19日)、私の住んでいるブルゴーニュの村の近くにあるマコン市では、決勝戦でも点を決めた地元の英雄、アントワーヌ・グリエーズマンの里帰りを祝福しました。何千人もの人が新しい世界チャンピオンに感謝を示しに来ていました。 (次号に続く)

 
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私のブルゴーニュの家の近くにあるマコン市では地元の世界チャンピオン、アントワーヌ・グリエーズマンの里帰りを祝いました。およそ6000人が市庁舎の前に集まりました。
 
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グリエーズマンが奥さん、娘さん、そして少年時代のコーチたちと現れたときには集まっていた人たちは彼の名前を叫びながら拍手しました。