Top > Column 連載コラム > carnet 241
皆さん、大変ご無沙汰しておりますが、お元気でいらっしゃいますか。
コロナはまだ収束しておらず、フランスとスイスにも色々な影響が出ており、仕事のペースにも関係しています。
普通はいつも1月にケルンとパリに出張し、ケルンの国際見本市そしてパリのメゾン・エ・オブジェでロゼの新しいロゼコレクションを発見することができ、その都度皆さんにもご報告できました。ですが、今年の1月は、コロナのせいでいずれの見本市もキャンセルされ、残念ながらリーン・ロゼの新作を見ることができませんでした。そして見本市の際に、共に仕事をしているドリームベッドの同僚そしてロゼのメンバーにもお会いできなく、本当に寂しい思いをしています。
しかしロゼ社はコロナ禍にも関わらず、新作の開発に力を一生懸命だそうで、それを3月の16~18日、パリのパレ・ド・トーキョーに出展する予定があります。できれば私も、感染状況が許せば、パリに行ってみたいと思いますが、そこまでにどのようになるのか、誰も予想できません。現在は、感染予防対策として、どんな展示会もキャンセルされ、博物館も休業になっています。3月まで事態は少しだけでも好転することを心から願っています。
さて、だいぶ前になりますが、前回のカルネで昨年の1月に視察したリヨンのインターコンティネンタルホテルをご紹介しました。その時、同じリヨンでもう一つの面白いプロジェクトを見ることができました。それは、ロゼ社が2019年に実験的に作った新しい売り場スペース(ショップ)です。現在はロックダウン状況で閉まっていますが、復旧したらぜひその店に行くこともお勧めします。
そのコンセプトとは、簡単に言えば、ショップを家具の売り場、つまりショールームのような扱い方をするのではなく、個人のアパートのようにレイアウトすることです。ですから、ショップ名は「Appartement(アパートメント)」、つまり、フランス語のアパート(マンシオン)という意味になります。
ミッシェル社長によれば、リーン・ロゼのコレクションを「マイホーム」の雰囲気で体験できるための新しい販売チャネルの提案でもあります。主にインテリアデザイナー、インテリアアーキテクトとスタイリスト、そして富裕層のエリートのクライエントをターゲットにしています。つまりB to B、B to Cの新しいコンセプトでもあります。物件はリヨンの高級住宅地にあるAuguste Comte通りにあり、高級マンションのあるビルの一階になります。
「Appartement」のインテリアデザインは、日本のロゼパーティにも参加したフランス人女性デザイナー、マリー・クリスティーン・ドルネル氏が手掛けました。普通のロゼショップのような大きな展示スペースではなく、いくつかの部屋に分かれているアパートメントのようにレイアウトされて、意図的に商品の数も限られています。面積は決して広くありませんが、合計6部屋で、リビングルーム、ダイニングルーム、オフィス、ベッドルーム、パシオがあります。 (次号に続く)