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Carnet 245

Vive la Slow Life Ⅰ

スローライフの称賛 その1

皆さん、こんにちは。前回は、フランスの思想家がコロナ禍をどのように捉え、チャンスとしても解釈していることについてご報告しました。今回は、その危機の影響で、私たちの価値観とライフスタイルがどのように変わってきたかについて少し考えてみたいと思います。

まずは、最近よく聞く表現があります。それは「スローライフ」です。どのような意味があるのでしょうか。第143回目のカルネでご紹介したフランスの精神科医のBoris Cyrulnikボリス・シリルニク氏もその表現を用いています。

「スローライフ」とは、簡単に言えば、普通の仕事や生活のスピードを落とし、ゆっくりとした時間を楽しむとのことです。フランスとスイスは現在、コロナ禍で外出や様々な娯楽が厳しく制限されています。日本とは違うと思いますが、飲食店、映画館、博物館、フィットネスセンターまでも、大都市の生活では普通は当たり前になっていることは全てなくなっています。それで一人や家族で過ごす時間が必然的に急増しています。

それに対してフラストレーションを感じることも当たり前ですが、前回申し上げたように、その時間をチャンスとして捉えることもできます。言い換えれば、日々をどう過ごすかということがより重要になっており、日常の生活や環境を充実させるためにどうすれば良いのかについて考えなければなりません。

そこで「スローライフ」が登場し、人生の一瞬一瞬を楽しみ、静寂を大切にするということです。シリルニク氏は、コロナ禍が私たちを「スローペース」の人生に導いてくれると言っています。

それは大変興味深い考えだと思います。スローライフとは、アメリカ人がよく使う「タイム・イズ・マネー」という表現、つまり時間を経済的かつ効果的に使わなければならない、という考え方の正反対だと思います。言い換えれば、何もしなくても、時間そのものには十分な価値があるとのことですね。そのために、スクリーンから離れる必要もあります(インターネットやテレビから殺到する情報や刺激にブレーキをかけなければなりません、と専門家が言っています)。テレワークが余儀無く行われる中、インターネットを使う必要が、それを最低限にし、できるだけDigital Detoxデジタル・デトックスを行った方が良いとのことです。 (次号に続く)

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今ヨーロッパでは「スローライフ」がキーワードになっており、コロナ禍の影響を表現しています。
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フランスでよく売れている本ですが、「家族でスローライフを楽しむ」という内容で、様々なヒントやアドバイスを提供してくれます。
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女性雑誌Marie-Claireでは、デジタル・デトックスの方法が説明され、その一つとして「読書」が勧められています。
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