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Slow Life and interior boom Ⅱ

「スローライフ」と「インテリアブーム」 その2

前回に続き、コロナ禍によって変化したライフスタイル、「スローライフ」と「インテリアブーム」についてお話します。

コロナ禍の中、かなり高価で、デザイン性と品質の高いアイテムもよく売れているようです。おそらく念願の家具をようやく手に入れよう、と決心されたお客様が多いと思われます。私達家具やインテリア業界で活躍している人間として、コロナで苦しんでいる方々に対して申し訳ありませんが、本当に有難いことです。

もう一つ興味深いことは、家具の売り方が変わってきたとのことです。家具ショップに行くよりも、バーチャルショールームやネット販売を通じて購入される消費者が増え、実物を見なくても買ってくださる傾向が見られます。今年はキャンセルされたケルンとパリの国際家具見本市も、デジタルサイトで家具に対しての最新情報を発信しています。バーチャルショールームの設置も進んでおり、例えば日本の新宿ショップは今バーチャルになっています。

しかし大きな投資をしなくても、日常生活を充実させることができ、それについては様々なヒントを得ることができます。例えば、美しいオブジェで家を飾り、キャンドルやお花を使ってテーブルを綺麗にセットしたりするなど。フランスでは昔から、「les arts de la table」「テーブルの芸術」、と呼ばれていますが、それにコロナによって新しい息吹が吹き込まれたようです。

もう一つは、家でできるクリエイティブな活動、趣味に対する変化です。家とはただ食事したり、テレビを見たり寝たりする消極的な場所でなく、「遊びの場」「自分の創造性が表現できる場」としても意識されるようになりました。例えば家族で遊ぶボードゲームも人気を集めており、おかげで「家庭内の関係が良くなった」と言う人もいます。

また、今はヨーロッパではDIY(Do it yourself)運動が起こっています。自分でオブジェを作ったり、ナチュラルなシャンプーやスキンクリームを作ったり、裁縫や編み物をしたり、絵を書いたり、様々な活動が行われています。ジュネーブで活躍している生花教室も人気を増しており、生徒さんが増え、今バーチャル展示会がオンラインで行われています。

自然でシンプルな素材を使うことによって、人生に「美」と「買うことのできない楽しみ」を与えることもできると思います。そのような中、日本から学んだ生花も人気を増しているようで、ネット教室や様々なサイトで紹介されています。つまり自分のスキルや創造性を発揮しながら、生活環境を充実させることができます。

精神科医、哲学者シリルニク氏の理論に戻れば、ヨーロッパの大ペスト禍の一つの影響として、人々が「美」により敏感になり、それを日常生活の中で求め始めるようになった、と主張しています。精神科医としては、「美しさ」は人間の成長と発達にとても重要な役割を果たしていることの科学的な証拠がある、とも説明しています。

美は私たちを癒し、生きる喜びを与えてくれます。それでみなさん、コロナ禍の中、「スローライフ」を生きて、小さな「美」を見つけていきましょう。

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今起こっているDIY(Do it yourself)運動の一環として、縫製のサイトやオンライン授業に人気があります。やはり自分で作ったものが楽しい、という概念です。
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ジュネーブで活躍している生花教室も人気を増しており、生徒さんが増え、今バーチャル展示会がオンラインで行われています。
https://www.ikebana-international-geneve.ch/exposition-sur-la-toile
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ジュネーブの名門デパート、GLOBUSでは、ロサンゼルスのブランド、SLOW DOWN STUDIOのアクセサリーがよく売れているようです。SLOW DOWNは文字通り「スピードを落とせ」という意味で、その「スローライフ」にふさわしい製品を作っています。ここでエスニックタッチが目立つプレイドとパズルが紹介されています。
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